暗号資産を買う画面には「取引所」と「販売所」の2つのメニューがあることに気づいた方も多いはず。同じ銘柄を買っているように見えて、実は実質コスト(手数料)が数十倍違うこともあります。この記事では、両者の違いと、初心者が損しない買い方を解説します。
取引所と販売所の基本的な違い
| 取引所 | 販売所 | |
|---|---|---|
| 取引相手 | ユーザー同士 | 暗号資産交換業者 |
| 価格の決まり方 | 板(注文)による | 業者が提示 |
| コスト | 取引手数料(0〜0.2%程度) | スプレッド(3〜10%程度) |
| 操作 | やや難(指値・成行を選ぶ) | 簡単(買う金額を入れるだけ) |
| 取扱銘柄数 | やや少ない | 多い |
取引所(ユーザー同士の売買)
取引所では、買いたいユーザーと売りたいユーザーが「板(オーダーブック)」上で直接マッチングされます。株式取引と同じ仕組みで、市場価格に近い価格で売買できるのが最大の特徴です。
販売所(業者との売買)
販売所では、暗号資産交換業者があらかじめ提示した価格でユーザーが買う(あるいは売る)仕組みです。操作はシンプルですが、買値と売値の差(スプレッド)が実質的な手数料となり、取引所より割高になりやすい傾向があります。
スプレッドの違いが「見えないコスト」になる
販売所は「手数料無料」と表示されていても、買値と売値の差(スプレッド)で業者が利益を得ています。例えば以下のようなケースです。
ビットコインの市場価格が1,000万円のとき、販売所の提示価格は「買値1,040万円/売値960万円」ということがあります。この差80万円(約8%)がスプレッドで、買った瞬間に約4%の含み損からスタートするイメージです。
10万円分を買った場合のコスト比較(あくまで一例)
| 想定コスト | 10万円購入時 | |
|---|---|---|
| 取引所 | 0.1%前後 | 約100円 |
| 販売所 | 3〜10%のスプレッド | 約3,000〜10,000円 |
※上記は一般的な目安で、実際の手数料・スプレッドは取引所ごと、また銘柄・時間帯・相場状況により変動します。
初心者でも取引所を使うべきか
「操作が難しそう」と販売所を選ぶ方が多いですが、長期でコストを考えると取引所を使えるようになる価値は大きいです。
- 板(オーダーブック)を確認する 買い注文と売り注文がリアルタイムに並ぶ画面です。最初は見慣れないかもしれませんが、数分眺めれば感覚がつかめます。
- 成行注文で買う 「金額を指定せず、今すぐ売られている最安値で買う」注文方法。スピード重視ならこれ。
- 指値注文で買う 「この価格以下になったら買う」と指定する方法。安く買えるチャンスを狙えますが、約定しない場合もあります。
初回だけ販売所で少額を買って感覚をつかみ、2回目以降は取引所で買う、という方法もあります。「販売所しかない銘柄」もあるので、取扱い形式を事前に確認しておくと安心です。
使い分けの目安
取引所が向いているケース
- コストを抑えたい(金額が大きい・長期保有)
- 毎月積立で買い続ける
- 操作に慣れたい
販売所が向いているケース
- 取引所に扱いがない銘柄を買いたい
- 1回限りの少額購入
- とにかく操作を簡単に済ませたい
まとめ
販売所は「簡単だけど割高」、取引所は「慣れが必要だけど安い」というのが基本構造です。暗号資産を長期・高額で運用するほど、取引所を使いこなせるかどうかが資産形成に効いてきます。
各取引所によって、取引所形式で扱える銘柄数や手数料は大きく異なります。自分の買いたい銘柄が「取引所」で扱われているかを事前に確認してから口座を選びましょう。